怪我の功名

2024.1.15 記入者:大岩(サービス管理責任者) 

 

 

先日、ご利用者用のイスをオンライン注文で発注し「届いたらすぐにフロアに届けるぞ~」とおもっていたところ、届いた商品がなんと「組立品」でした。完成品が届くはずだとたかをくくっていた自分が恥ずかしいかぎりで肩を落としていたところ、たまたま通りがかった支援員Tさんが声をかけてくれました。

 

「あれ、これなに?もしかして…組み立てるやつ?」

 

そうなんです実はカクカクシカジカで、としょんぼりしながら伝えると、Tさんの口から「それは素晴らしい!」という言葉が放たれました。こちらがキョトンとしているとTさんは続けます。

 

「いやほら、Tさん(ご利用者)って工作とか組み立てるのが得意だしお好きじゃない。だから、なにか作るものをちょうど探していたところで…もしよかったらそのイス、日中活動でTさんに作らせてもらえないかな?もちろん仕上げはこちらでもきちんと確認するので」

 

いつもやさしい表情で柔和な語り口な支援員Tさんですが、このときばかりは後光が差す仏様として目の前に現れたように感じて「Tさん…!ぜひ!!」と即答したのは言うまでもありません。それから「こうやって渡したら、ご利用者Tさん喜ぶかも?」などの打ち合わせも済ませ、すこしして早速ご利用者Tさんのもとへ。

 

よっこらしょと運びました

 

「Tさーん!お願いします!」と依頼すると
「ん?どれどれ…」と吟味

 

なんだこれ面白そうじゃないかと言わんばかりにニヤニヤとするTさん

 

そうしてご利用者Tさんに椅子の制作依頼を済ませて幾日か経ったころ、「できあがったよ!」と嬉しそうな表情をしながら日中活動をとおして組み立てた椅子を納品していただきました。

 

 

 

事の起こりは一つの発注ミスでしたが、ご利用者の得意なもの・好きなもの・したいことを常々考えていた支援員Tさんからの発想と提案によって、ご利用者Tさんの活動と作品、なによりも誇らしくも少し照れくさそうなご利用者Tさんの良い表情につなげることができました。

 

「いやぁ、今回の機会はほんとうによかったよ。大岩さん、ありがとう」

 

さいごに支援員Tさんからは感謝の言葉をもらいましたが、その言葉以上に、またひとつ大切なことを得ることができた機会になった気がしました。

 

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