2023.8.8 記入者:大岩(サービス管理責任者)

真っ白な画用紙、ぺらぺらの裏紙、はたまた段ボールの切れ端──描ける場所さえあれば時には小さく、丁寧に、文字や絵を描くご利用者がいます。
絵を描くことが好きなのか、描きたいものがあるから描くのか、それは本人にしかわかりません。寡黙にひたすら職人のように描く人にも、おしゃべりし笑い合いながら自由気ままに描くひとにも、悠々とした自由な姿がみえます。そこに成果や効率、評価や生産性といった枠はありません。
集中力を発揮して描き「Kさんの描く絵ってほんと素敵だよね」「Dさんの絵ってなんだかいいなぁ」といった周りのスタッフの感嘆をよそに、出来上がったものにまったく執着しないご利用者も多かったりします。でも、だからこそ、おもわず見るものをハッとさせる魅力的な絵が生まれるのかもしれないなともおもいます。






ご利用者のみなさんが描いた絵
集団画一的な対応ではなく、絵が好きな方には画材を、刺し子が好きな方には布と針を、木材加工が好きな方には工具を用意する。目がみえない方には触覚で楽しんでもらえるような遊具はないか考え、紙をビリビリちりちりに破く方には一枚の紙を差し出す。
──そうしたことの一つ一つが、もしも「その人らしくあるためのもの」だとして、必要な道具や環境さえそろってさえいればじぶんの心に素直にいられるかもしれないのだとすれば、おのずとわたしたちスタッフのすべきことの輪郭が、心地よくてハッピーな居場所づくりの糸口がみえてくる気がします。



