「いっちに!」の行進

2022.11.28 記入者:大岩(サービス管理責任者)

 

「大岩さん!あの、あの、石川ひとみの写真が欲しいの!プリントアウトしてください」

 

朝、ご利用者Sさんが支援員Fさんといっしょに事務所の窓口におとずれました。眉を八の字にして懇願するSさんの依頼に「イシカワヒトミ?」と素っ頓狂にこたえてしまうと、支援員Fさんは「そうか~大岩さんは分からないか」と笑い、誰だろうかとその場でパソコンをつかって探索すると、かつて紅白歌合戦にも出た歌手だとわかりました。Sさんに「このひとですか??」とパソコンの画面をお見せして確認すると「そうです。石川ひとみの写真、欲しいの」とつづけて希望されたので、A4用紙に1枚印刷し、お渡ししました。印刷された歌手の石川さんを手にすると、Sさんは目じりを下げながら「ありがとう」とほっこりとした笑顔を浮かべ、Fさんにも「よかったよかった」と笑顔で声をかけられながら、いっしょにフロアに戻っていかれました。

 

そんな一コマから始まった朝ですが、ホームページでもお知らせしているとおり、事業所における新型コロナウイルスの感染拡大は終息となりました。

 

ご利用者はもとより関係者のみなさまには多大なるご心配とご迷惑をおかけすることとなりました。新型コロナウイルスによる介護施設のクラスターについては依然として増加傾向(https://www.joint-kaigo.com/articles/3891/)に変わりはないため、ひきつづき、地にしっかりと足をつけながら対応に努めていきたいとおもいます。

 

と、そんなことをおもっていると「いっちに、いっちに!」という声がきこえてきます。声はしだいに自信に充ちてひろがり、笑い声はやまびこのように響き、その微笑ましい光景に、おもわず心がほっとしたのでした。

 

日中活動のためお向かいにある作業棟に笑いながら移動するご利用者と職員Hさんたちの姿

 

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