心を架ける

2022.10.13 記入者:大岩(サービス管理責任者)

 

法人構内に咲く、十月の美しいサルビア・ガラニチカ

 

「Sさんにとって何が刺さるかな(好きで喜んでもらえるかな)ってフロアのみんなで話してて、タブレット端末をつかってYoutubeでセーラームーンやいろんな動画を観てもらったら、忍たま乱太郎を流したときにすごい笑顔になって、みんなで『これか~!』ってなったんですよね~」

 

朝、9月にあたらしく入所したSさんについてスタッフからそんな共有がありました。スタッフの笑顔で嬉しそうな語り口、あたらしく入所されたご利用者に対するフロア全体の姿勢や雰囲気、そのどちらにも温かい空気感がありました。──Sさんにとって何が刺さるか?そんな出発点から、試行錯誤してフロアのスタッフみんなが「これか~!」となるまでの過程を目に浮かべると、なんだかくすぐったいような気持ちにもなりました。

 

流し目が麗しいたたずまいのSさん

 

「たとえトイレ掃除でも、書類をホチキスで留めるような作業でも、心がけ次第で質の高い仕事にできると思います」

 

ものづくりを営む友人があるとき雑誌のインタビューで答えていたこの言葉をふと思い出したのは、そんなSさんのエピソードがあったからだとおもいます。スタッフ一人ひとりのご利用者に対する心がけ、日常のなかの何気ない当たり前のようにさえ見えている自然な心がけ。その一端に触れたような気がしつつ、Sさんの笑った表情をみたくて会うたびおもわずSさんに声をかけてしまうのでした。

 

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