I dwell in Possibility –

 

 

2022.6.9 記入者:大岩(サービス管理責任者)

 

 

あるとき、作業棟での日中活動で、支援員のKさんが「これはどうかな?楽しんでもらえるかな」とご利用者のAさんに塗り絵を提供したところ、それがぴったりとAさんにはまったようで、以降は水を得た魚のようにAさんは塗り絵に没頭することとなりました。

 

千手観音にこまかく色を塗っています

 

Aさんのあらたに発見できた好きなこと・才能・強みに、当時は支援員のKさんも「すごい!」と素直におどろきAさんに伝え、また「これ、凄くないですか?」と周りにも共有していました。ほかのスタッフも驚きとともに感心し、とてもポジティブなエネルギーの循環がそこにはあるように思いました。Aさんの隠れていた才能は、スタッフはもとより、Aさん自身ももしかしたら気付いていなかったものかもしれません。

 

そうしていまでは書店で売られている「大人の塗り絵」と呼ばれる非常にこまかい塗り絵などを、Aさんだけではなく希望される他のご利用者もおなじようにときどき楽しまれています。Aさんはその後も、小さなものから大きなものまで、こまかく緻密な塗り絵にとりくまれています。

 

日中活動という場は、だれかの可能性をあらたに発見できる場でもあり、”I dwell in Possibility -“と始まるE.ディキンソンの詩句のように、だれしもみずからが可能性の主体であるということを教えてもらえる場でもある、そんな風におもうのでした。

 

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