2022.6.1 記入者:大岩(サービス管理責任者)
「料理で大切なことは、その料理を食べる相手のことを考えて料理をすること」
「歌をうたうときに大切なことは、その歌を届けたい大切なひとの顔を思い浮かべてうたうこと」
あるドラマ番組を見ていたとき、登場人物がそういったようなことを口にしていたのがしばらく頭から抜けませんでした。そしてそれは「支援者として大切なことは、」とじぶんに引き寄せて考えるきっかけとなりました。
およそ人が人とかかわり合う福祉という生業は、しばしば技術を必要とされます。それは複雑でありシンプルであるからこそ、そこにはその人の感性や思想がそのまま反映されます。ご利用者のよりよい人生をかたちづくるためには技術の習得だけではなく、ひとりの人間として常に向かい合うひとに寄り添い、対話し、想像力を養わなければなりません。そして、だからこそ常にみずからの品格が問われている、ということもまた忘れてないとおもいます。ドラマ番組の登場人物の台詞は、そういったことにあらためて立ち返り考えさせてもらえる機会ともなりました。
「あ、笑ってる!」
「ほんとだほんとだ~」
「いいね~」
ところで先日、スタッフが玄関でそう話しているのが聞こえたきたので、ふしぎに思い話にはいってみると、その視線のさきにはご利用者のMさんとKさんがベンチブランコにゆられて笑顔を浮かべている様子がありました。
おもわずこちらの頬がゆるんでしまうほどのいい表情に、スタッフともども癒やされたひとときでした。そしてご利用者のそんな表情を嬉しそうに見つめて笑顔で話しているスタッフの表情もまた、とてもいい表情に見えました。
「支援者にとって大切なことは何だろう?」
その答えのひとつに、きょうのようなご利用者とスタッフのそれぞれの笑顔があるといいな、そんな風に思わずにはいられないのでした。