2022.12.21 記入者:大岩(サービス管理責任者)
10月にあらたに入所されたご利用者Sさんにとって、先日のクリスマス会は夏祭りにつづき、入所後二度目となる事業所のイベントでした。前回の夏祭りでは、笑顔なく俯きがちなようすがほとんどだったため「イベントを楽しんでいただけたかな…?」と少し気がかりでいました。
しかし先日のクリスマス会のイベント中では、クレープ屋さんのキッチンカーのそばで笑顔を浮かべるSさんがいました。
Sさクレープが好きなのかな、楽しんでくれているのかな、と思い駆けより、Sさんに「クレープ好きなんですか、よかった~」と声をかけるとSさんは下向きときどき声をあげながら笑っていました。そんなに好きならよかったよかった…と思ったのも束の間、そばにいた支援員Kさんが「…あ、ちがうんです。これ見た瞬間、すごい喜ばれて」と、Sさんの視線のさきにある笑顔の理由を教えてくれました。
そう、Sさんの心をとらえたのは、甘いかおりがただようキッチンカーでも、そこで提供されるおいしそうなクレープでもなく、流れ星のイラストでした。流れ星をみながらひとしきりケタケタと無邪気に笑うSさんにようすから、Sさんにとっての「大好き」がそこにあるのがわかりました。そして安直にSさんの笑顔の理由を勝手に決めつけ安心していたじぶんが恥ずかしくなりつつも、Sさんの好きなものをひとつ知ることができ、ほんのすこし嬉しくなりました。
またべつのある日のこと。
その日の朝、ご利用者Mさんが玄関の掲示物をみながらニコニコとしていました。Mさんに声をかけると、掲示物の写真に、Mさんがむかしから大好きなベテランスタッフの支援員Sさんが映っていることを教えてくれました。MさんはSさんを見かけると「燃えちゃうの!」と言うほどにSさんのことが好きだと以前から話しており、そのため、支援員Sさんの知らないところではありますが、こっそりとツーショットを撮るとMさんのニコニコはさらにふくらむようにニッコニコとなるのでした。
それぞれの大好きの先にあるものがなにかを、いつもご利用者から教えてもらえるような気がするのでした。