隠れた美しさ

 

2022.4.22 記入者:大岩(サービス管理責任者)

 

椅子にすわり、机に向かう。それから眼を凝らし、紙を手にとり選び、ちぎり、そこに細かく色鉛筆で色を塗る。海のように紙片は散らばり、机から紙片がひらひらと落ちる。それでもなお眼差しをよそに向けることなく、選び、ちぎり、色を塗る。

 

これは、ご利用者のYさんのある日の日中活動のようすです。
 

 

 

 

 

 

スタッフはYさんがしたいことにスムーズに取り組めるよう、その工程に手を出したり加えたりせず、用具など揃え、環境をととのえ、見守っています。

 

「これは何を作っているんですか?」
「これはどんな目的でおこなっているんですか?」

 
 

たとえばそう尋ねられたとして、どんな答えが適切なのかはわかりません。Yさん自身が知っているかもしれないですし、もしかしたらYさん自身もわからないかもしれません。ただひとつ言えることは、Yさんはこちらがカメラを向けても全く気にするようすもなく、ただただ黙々といつもとおなじスタイルで、ひたすらに「いま・ここ」の中で目の前のひとつのことに取り組んでいるということです。

 
 
そして、Yさんの姿がそうであるように、そこにある精神的な秩序をわたしたちは学ぶべきではないか。そう問われている気さえしました。

 

 

ご利用者が生み出す隠れたうつくしさに、きょうもすこし触れることができたような気がしました。