駒場東邦中学校・高等学校講演会

2023.12.8 記入者:大岩(サービス管理責任者)  

 

「──たとえば自閉症についてスポットを当ててみると、アメリカ自閉症協会ではその特徴を次のように言っています。

 

 『自分が必要な時だけコミュニケーションをし、一方的、形式的で回りくどく、些細なことでも柔軟に交渉できずこだわります。率直に本当のことを言いすぎ、嫌いな人には『お前は嫌いだ』といいます。また自分だけが長々と話し続け、断りなしに話題を変えたりします。じぶんではそうは思っていませんが、相手を不愉快にさせる言葉遣いをすることがあります。近すぎたり離れたり、視線や表情、対人距離などの問題があります。相手の言葉の意味を想像できずに、言われたままに解釈します。そのため冗談の理解がむずかしい場合があります──』

 

 …と、これが自閉症の特徴についての説明です。では逆に、自閉症の人々から「健常者とよばれる人々」はどう見えているんだろう?これについてもアメリカ自閉症協会がまとめていました。ではその「健常者とよばれる人々」の特徴を読んでみます。

 

『かれらは全面的な発達をし、おそらく生まれたころから存在します。かれらはとても奇妙な方法で世界を見て、ときとして自分の都合のいいように真実をゆがめて嘘をつくことがあります。社会的地位や承認欲求のために争ったり、私利私欲のために他者をおとしめたりします。テレビやコマーシャルなどに敏感であり、流行をマネします。かれらは特徴的なコミュニケーションスタイルをもち、はっきりと言葉で伝え合うよりも暗黙の了解でものごとを言う傾向にあり、しばしば伝達不良に終わります。それは社会的懸念へののめり込みや妄想・強迫観念に特徴づけることができる神経性生物学上の障害です。自閉症スペクトラムを持つ人と比べるととても高い発生率をもち、一万人に対して悲劇的にも9624人と言われます──』

 

…障害ってなんだろう?そう考えてみたとき、ものの見方のひとつのとっかかりとして、いま挙げたことはとてもおもしろく興味深いとおもいます」

 

 

先日、隣接する駒場東邦中学校・高等学校の講演会に出席してきました。

 

▼一昨年にも実施した同様の講演会についてはこちら

 

愛隣会と各施設の紹介を目的として、理事長・常務理事・駒場苑の坂野施設長といっしょに、中学一年生と中学三年生の学生に向けて二日にわたりおはなしをさせていただきました。12/6は中学一年生、12/7は中学三年生を対象とした講演会となりましたが、目黒恵風寮の紹介の折には、さきに記したような自閉症の話など織り交ぜながらおはなしをさせていただきました。

 

講演会でも触れましたが、愛隣会と駒場東邦中学校・高等学校は隣接しているとはいえ、7年程前まではまったく交流がありませんでした。それが目黒恵風寮の風のガーデンの畑を通した交流の機会をきっかけとして、学生ボランティアの受け入れへとつながりをつくることができました。新型感染症による制限等で交流は以前とくらべてほそぼそとではありつつも、いまにつながっています。

 

目黒恵風寮のみなならず、こうした機会が法人各施設の利用者と職員をほんのすこしでも知ってもらう小さなきっかけとなり、交流となってかたちになり、それがひるがえって「閉じた施設」ではなく外に向かってオープンに開かれのびのびと充実した利用者の生活につながる一歩になればとあらためておもいました。

 

   

  

 

「あ、大岩さん!今度落ち葉掃きに行っても大丈夫ですか?」

 

気軽にそんな電話連絡があり、「あ、大丈夫ですよ~」と気軽にお答えする。ゆるゆるとフランクではありますが、そんなボランティア受け入れもひきつづき継続し、感染症対策を考慮しながら「学生のみなさんと利用者のみなさんの何かしらのコラボレーションができないかなぁ…」という思いをあたためてもいます。

 

 

 

 

▼過去の駒場東邦中学校・高等学校とのかかわりの過去の記事はこちら