香りふわり

2022.10.3 記入者:大岩(サービス管理責任者)

 

「金木犀が香るとハッタケ(初茸)が出る」

 

香川県にはそんな諺があり、秋が深まるにつれて香りはじめる金木犀とともに山ではいろいろなキノコが収穫できるようになるそうです。そんな金木犀の甘いかおりが風にのって空気にまじり、気候も肌にやさしい季節となりました。藤黄色をした小さな花弁はあちらこちらに落ちていて、ご利用者Fさんといっしょに散歩をしたときに一掴みひろい手渡すと、Fさんは目をまあるくして不思議そうに手のひらを眺めていました。

 

 

ふわりと匂い立つ甘いかおりは、風のとおり道をぬけて目黒恵風寮にもおとずれます。

 

<目黒恵風寮・正面玄関>

 

人の往来のある玄関は、介助員のSさんが朝いちばんに掃除をし、綺麗に整えてくれています。そこを日中活動や通院や散歩にでかけるご利用者のみなさんとスタッフは出入りし、毎日活気のある玄関となっています。ご利用者Tさんも、さいきん新調したばかりの車椅子に乗って玄関をとおり、通院に出かけていかれました。

 

カメラを向けると「何撮ってるんだよ~」と指差すTさん

 

また、玄関から目と鼻のさきにある喫茶室では、お昼時に楽し気な声がきこえてきます。この日はご利用者のOさん・Sさん・Iさん・Uさんが食べたい好きなものを持ち寄ってランチをしていました。

 

 

「お寿司を食べたい!」といった方の中で、Iさんだけ違うものを希望されていたようで、支援員MさんがIさんに「Iさんが好きなもの買ってきましたよ~!」と説明している風景がありました。

 

「笑」

 

窓のむこうからは心地よい季節のかおりが、喫茶室からはおいしそうなご利用者の食べたいもののかおりが、やさしくふわりと感じとれるのでした。

前の記事

三毛猫の足あと

次の記事

爛々とかがやく