一日のどこか片隅に

 

2022.6.13 記入者:大岩(サービス管理責任者)

 

畑や野菜が好きなHさんと支援員のIさん

支援員のMさんの手をぎゅっと離さないご利用者Iさん

 

「なにが好きですか?」

 

そう尋ねられたら、みなさん一人ひとりがちがったものを思い浮かべるかとおもいます。それは食べ物、場所、いきもの、からだを動かすこと、人…それぞれがそれぞれの好きに心を躍らせ、生活を豊かで楽しいものにしたり、それにより安心するのだとおもいます。

 

たとえばご利用者のMさんはコーヒーが好きで、朝や午後のひとときの一杯が日課になっています。朝はいつもの時間になるとコップを手に小走りで職員のそばに来て、グイッとコップを示し、コーヒー粉がしまわれている棚を指差します。言葉はなくともそれがMさんの「コーヒーが飲みたい」という気持ちの表れだとスタッフは汲みとり、それに応えます。

 

そんなMさんですが、きょうは支援員のKさんといっしょにふらっと玄関の自販機にコーヒーを買いに来て、風のガーデンで一息つかれていきました。

 

大好きなコーヒー

手を添えて

ぐびっと一杯

「ふはぁ~」

 

ベンチにちょこんと座り、草木の息吹きに触れながらエスプレッソのように豪快に飲む姿にすこしおどろきつつ、Mさんのやわらいだ表情をみるとこちらも安心するのでした。

 

一日のどこか片隅に、ほんのすこしでもㇹッと気持ちがやすらいだり、自由にのびのびとくつろげたり、心の置き場所がある。Mさんにとってもだれにとっても、そんな一日があるといいな、そんな一日をいっしょにつくっていきたいな、としみじみおもうのでした。

 

 

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