2025.1.13 記入者:大岩(サービス管理責任者)

毎食、食事を終えると両手をあわせて目をつむり、ひっそりとお祈りをするようにしずかにポツポツと一人何かを言っているご利用者Wさん。折をみてたずねてみると、Wさんはゆっくりと言葉をえらびながら、こう話してくれました。
「あれは、ごちそうさまでしたとか…いつもごはんを作ってくれるひととはふだん会えないでしょう?みえないけど、ちゃんと一所懸命つくってくれてるひとたちがいて、会えないけど、ありがとうございますって…とってもおいしかったですって、伝えてるんです」

食事をいただき終えるまでの姿勢は、そのまま心のありようを映します。
出会いと別れ、ものを手放すときとおなじように、終わりを丁寧にできる人ほどその人柄や品性、あたらしい運を迎える器がととのうといいます。生きていくのに決められた順路はなく決めるのはおのれであるように、はじまりよりも終わりかた、その小さな所作が、その人の道のりをしずかに決めていきます。
食事のむこう側の“だれか”へ──料理をつくるひと、運ぶひと、そして支えるすべてのひとへのやさしい敬意と感謝のこもったWさんの小さな祈りのような言葉は、日々のあたりまえのなかにある尊さを思い出させてくれるものとして、そっと胸を打ちました。

