2025.11.7 記入者:大岩(サービス管理責任者)

「大岩さん、実習生はいつ来るか!」
「あ~、次は、、、いつでしょう、、、」
「いつ来るか!」
「たぶん12月、かも?」
「12月のいつか!」
「う~ん、どうだろう、、、」
「いつ!!?」
なんとも歯切れわるい回答ばかりをくりだしたために、ハッキリと明瞭な回答を求めて煙に巻かれんとするSさんを苛ませてしまいました。
目黒恵風寮ではコロナ禍をのぞき、実習生の受け入れを毎年おこなっています。そのため、ご利用者のなかにはSさんのように実習生が次いつ来るのか楽しみにされている方もいらっしゃり、しばしば話題になります。
実習については、主に保育の専門学校からの学生を受け入れています。「なぜ障害者支援施設が保育実習の実習先になるのか?」──これは、保育士養成課程における保育の専門性を広く捉える視点と深く関係しており、以下のようにまとめることができます。

① 保育士は「すべての子ども」を支える仕事だから
保育所や園では、発達や体の動きに個性のあるこどもも一緒にすごします。そのため、社会的障壁により生活上の支援を必要とする人と関わることで、一人ひとりのニーズに合わせた関わり方を学ぶことができます。
② 人の成長を「子ども時代だけでなく一生の流れ」で見るため
障害者支援施設では、大人になった方々の生活を知ることができます。それは、「こどもの今の支援が、その人の将来につながる」ことを感じる大切な体験になります。
③ 福祉や支援の考え方を体験的に学べるから
施設では、支援員・看護師・栄養士など、いろいろな専門職が協力しています。その中で、**「チームで支える」ことや「相手の尊厳を大切にする支援」**を学ぶことができます。
④ 共に生きる社会を知るきっかけになる
だれでも、地域の中であたりまえに暮らしています。施設実習は、「共生社会(ともに生きる社会)」を実感する第一歩となります。

目黒恵風寮での実習をとおして、過去には実習生から「保育士に進もうか迷っていたけど、障害福祉の分野もいいなとおもいました」「ご利用者やスタッフのみなさんの雰囲気があたたかくて、安心しました」といったコメントをいただくこともしばしばあります。また、ありがたいことに実習を経て「ここで働きたいです!」と希望していただき就職し、現在も目黒恵風寮で働いているスタッフも何名かいます。
教科書では学べない「人との関わり方」や「支援のむずかしさ・やりがい」を感じてもらい、実習を通して未来のスタッフや支援者につなげ、スタッフも自分たちの支援を見直したり新しい考え方に触れることができる機会として、実習の受け入れについてはこれからも大切にしていきたいとおもいます。
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