2024.2.10 記入者:大岩(サービス管理責任者)
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あるとき、なにやらもじもじニコニコとしながらこちらを覗くご利用者Mさんと目が合いました。ふだんなら「大岩ちゃん!」と明るい声色で話しかけてくるMさんが、今日はなにやらようすがすこしちがう。ボーっとしているわけでもなく、暇をもてあましている風でもなく、もじもじニコニコしている…なんだろう…うーん…と眼を凝らしているとハッと気がつきました。
「あっ!もしかして…!?」
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こちらが気づくとMさんは「へへっ!」と口をおさえて笑い出し、Mさんのあたらしく染まった髪は陽射しに照らされあかるく映ります。したいことができ、なりたい自分に一歩ちかづいたときのこみあげる喜びをおさえるようにニヒヒと笑うMさんに、いいじゃんいいじゃん、と思いながらグータッチをして別れました。
またべつのときに1階の食堂にいたご利用者Wさんに声をかけると、Wさんはニッと笑顔をうかべて瞳をキラキラと輝かせながら自身の指で「くいくいっ」とこめかみのほうを指差します。「なんだろう?」とおもいながら向けた視線のさきには、可愛らしいラベンダー色の髪留めがありました。あ、かわいい!とお伝えすると「ふふふ」といった表情をうかべていました。
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心地良い暮らしの柱をつくるもの、それは心身のゆとりや生活の基盤だけでなく、「自分は自分のままであること」だといいます。
Mさんが好きな色に髪を染めることでより自分らしさにちかづいたかもしれないように、
Wさんが好きな髪留めを身に着けることで気持ちがちょっぴりでも嬉しくなったように、
ほんのささいなことだとしても、そうした小さなことの積み重ねが自分が自分のままであること、自分のままでいていいと思える安心感につながっているんじゃないかなとおもいます。
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