小雲月

2023.5.17  記入者:大岩(サービス管理責任者)

 

「いえい!」とピースするご利用者Kさん

 

五月がもつ異名「小雲月(さくもづき)」のとおり、くっきりともりもりふくらむ雲が多くなる季節となりました。

 

目黒恵風寮ではあたらしく入所されたご利用者がすこしずつ増えているのですが、先日もあらたに目黒恵風寮での生活を始めることとなったご利用者Kさんは、体験利用を兼ねた短期入所を経て、入所することとなりました。(現在目黒恵風寮では新型コロナウイルス感染症の感染対策もふまえ、通常の短期入所ではなく入所を視野にいれた体験利用というかたちでの短期入所のみの受け入れをおこなっています)

 

Kさんは体験利用のときから目黒恵風寮のお風呂や雰囲気を気に入ってくださり、入所に至りました。Kさんははじめから笑顔も多く、ほかのご利用者のみなさんとも馴染み、ゆったりと過ごされるようすがうかがえます。あらたに入所されて日が浅いご利用者については、ご家族や相談支援事業所のスタッフや自治体の方等、ご本人にかかわりのある皆さまから「その後の様子はどうですか…?」と尋ねられることがしばしばあります。そのため、日々の暮らしのようすについて、職種関係なくそれぞれのスタッフの立場からお伝えしています。

 

ご利用者本人をとりまくさまざまな方とご本人に心を寄せながら、みなさん、それぞれの歩調でゆっくりとすこしずつあたらしい生活の場に馴染まれていっています。

  

入所後すぐは笑顔がみられなかったご利用者Sさんですが、いまではいつも笑ってます

  

日中活動で塗り絵に取り組むご利用者Nさん

 

ところで目黒恵風寮には、入所されてからの在所期間が長いご利用者が多くいらっしゃり、20年以上はもとより半世紀以上の方もいます。そんなご利用者を支えるスタッフも、勤続年数が10年・20年は珍しくなく、いちばん長いスタッフで半世紀近く勤めている方もいます。

 

また退職後も、目黒恵風寮とのかかわりを大切にしてくださっている元職員もいます。たとえば今年の3月以降、目黒恵風寮では車椅子整備のボランティアの受け入れをはじめたのですが、ボランティアとして来ていただくことになったのはおととし定年退職した元職員のAさんです。Aさんは定年退職後、『車いす安全整備士』の資格をとり、ご利用者のみなさんが日常的につかう車椅子の点検・清掃をするため、ボランティアという形で目黒恵風寮にふたたび戻ってきてくれました。

 

Aさんは月2回の頻度でご利用者が利用する車椅子をみてくださり、ご利用者もスタッフもみんなで「あ、今日はAさんが来る日だ!」と楽しみにしています。「あの人に会いたいなぁ」とおもえる楽しみ、その人と会うだけでなんとなく嬉しくなったり、顔を合わせるとぱぁっと心と表情が明るくなる。そんなことを味わえる機会が、またひとつ増えたのでした。

 

「どれどれ」と車椅子を確認する元職員Aさん

 

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