「赤ちゃん見せて!」

2023.2.13  記入者:大岩(サービス管理責任者)

  

花のつぼみに手をそっとかざすご利用者Oさん

 

 

からだが春にかけて身支度をはじめるころ、法人敷地内では梅が咲き、杏が咲いて、追うように桜が咲きほこります。

 

四季の花のなかでもさきがけて咲く梅の花は、春の寒さのなかにあっても希望を告げるものとして映ります。いまでも季語として残る「梅ふふむ」という言葉は、かつて万葉集において大伴家持が「桜花いまだふふめり」と詠んだ「ふふめり」の「ふふむ」という語とおなじく、花の蕾がふくらむことをあらわした古語であり、内に秘められた力を感じる言葉でもあります。それをおもうと、ご利用者のみなさんや働くスタッフそれぞれが持っている和気あいあいとしたポジティブな力強さには、春に向かって咲くちいさな梅の花の力強さを重ね合わせることができます。

  

 

さて、 先週は雪がふり、ご利用者のみなさんと「ゆーきやこんこっ♪」と歌ったりとまだまだ寒い日がつづいています。みなさんの様子は変わらず…とおもいきや、あれ、きょうはなんだかみなさん静かにTVをじっと見ている……何をしているのかな……?

 

そろってひたすら画面を注視するみなさん

 

画面には赤ちゃんの姿

 

「赤ちゃん…?」

 

「そうよぉ。赤ちゃん。かわいいでしょ」

 

ご利用者Mさんは笑いながらそう話され、TV画面に微笑んでいました。フロアの支援員さんたち曰く、「赤ちゃん見たい」「赤ちゃん見せて!」とご希望されるご利用者に、赤ちゃんのようすを映すYoutubeチャンネルをお見せしているとのこと。そしてそれが好評のようで、みなさん「かわいいねぇ」と言いながらひたすらじっと眺めているそうです。目黒恵風寮ではICT機器の活用として事業所用タブレット端末を活用してYoutube等で音楽やアニメ、アイドルグループなど、ご利用者が希望されたり好きな映像をお見せすることがしばしばあるのですが、赤ちゃんもそのひとつのようでした。

 

好きなことをしたり、好きなひとと一緒に過ごしたり、きょうも穏やかにみなさん過ごされています。

 

いつも仲良しご利用者FさんとYさん

 

 

 

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