2023.2.8 記入者:大岩(サービス管理責任者)
立春から春分の日頃までの時期は、気候があたたかくなり草木が芽吹きはじめることから「木の芽どき」と呼ばれます。
木の芽どきは気温の変化がおおきく体調を崩しやすい時期ということから、古来より病気に注意するよう言い伝えられてきました。目黒恵風寮でも、ソワソワとなんだか落ち着かないようすだったり体調を崩されるご利用者・スタッフも少なくありません。なかには春のおとずれを予感させるように、毎年この時期になると興奮度合いが高まりをみせるご利用者もいれば、なんだか眠れない日がふえている方や調子を崩されてしまう方がいたりと、まちまちです。
いっぽうで、生活リズムを崩されることもなく淡々とマイペースな方、変わらず会うたびいつも笑顔でまわりを元気にさせてくれる方など、写真のようにほとんどの方はお元気で過ごされています。
そういえば先日、こんなエピソードを耳にしました。
それはご利用者のみなさんが寝静まった夜中のこと──不安や焦燥感から眠れないようすのご利用者Kさんの話を支援員Sさんが傾聴しているうち、Kさんの顔や耳や指さきがひんやり冷たくなっていることにSさんは気づいたそうです。そのためSさんはKさんに声をかけ、温まるようにと洗面器に湯をはり、足湯を提供しながらKさんの話に耳をかたむけました。そうして温まってもらいながら一緒に過ごしていると、しだいにKさんの気持ちはほぐれてきたのか眠たそうな表情になったようで、そのあとはお部屋までお連れしておやすみなさいをして眠りについたそうです。
このエピソードの支援員Sさんのナチュラルな機転の利いた配慮に、心づかいに、きもちがぽっとあたたかくなりました。そしてご利用者一人ひとりの安心できる暮らしや笑顔は、こうした心づかいによっても支えられているんだなと、あらためて支援員Sさんから教えてもらったのでした。