夜のリレー

2022.12.4 記入者:大岩(サービス管理責任者)

 

 

「1階と2階にフロアが分かれていて、10~20名程いるそのどちらのフロアの利用者も、一人の夜勤者で見なきゃいけなくて…正直怖いです…」

 

これは以前、おなじ障害者支援施設ではたらく他施設の方から聞いた話です。先日、医療職・介護職・福祉職でつくるある労働組合が「なくせワンオペ夜勤」と声明を発表(https://www.joint-kaigo.com/articles/3534/)し、報道を目にするたびにその話を思い出します。ワンオペとは「ワンオペレーション」の略で、「一人体制での業務」のことを指します。 つまり「ワンオペ夜勤」とは1人体制での夜勤という意味であり、ワンオペ体制の夜勤は、おもにグループホームやユニット型の施設・一部の特別養護老人ホームや障害者施設でおこなわれている現状があるようです。

 

目黒恵風寮では、ご利用者が生活するフロアは1~3階に分かれており、現在、1フロア夜勤者2名体制をとっています。つまり、みなさんがすやすやと眠りにつく夜は、事業所に6名の夜勤者がいることとなります。夜間起こりうる救急対応や災害を含めた有事の対応、また昨今の新型コロナウイルスの感染者発生時の対応や予期できない事態が起こることも想定し、ご利用者の安全と安心を第一にかんがえた配置になっています。それは同時に、夜勤者となる職員の肉体的・精神的な労働負担の軽減、かくじつな休憩時間の確保にもつながっています。そこに暮らしている人、そこで働く人、そのどちらもが安心できる環境づくりの一端が、この夜勤配置体制にあらわれています。

 

すやすやと安心して眠りにつける夜、そわそわドキドキむずむずとしてなんだか眠れない夜、好きなことに熱中し気がつくと更けてしまった夜、それから「今日はちょっと泊まり勤務の〇〇さんと話したいな」の夜──

 

夜勤者は毎日バトンをつなぎながらそんなご利用者一人ひとりの夜をリレーし、きょうも交替で夜を守っているのでした。

前の記事

眼と言葉

次の記事

クリスマス飾り