2022.6.30 記入者:大岩(サービス管理責任者)
ご利用者のからだに陽は燦々とふりそそぎ、手を伸ばせばいまにも届きなそうなほど太陽はちかくなりました。
けれども夏の風物詩ともいえる蝉の声はまだきこえてきません。東江戸の自然について記された『武江産物志』という古い書物によると、かつては東京にもハルゼミ・ヒグラシ・アブラゼミ、クマゼミ・ミンミンゼミ・ツクツクボウシにニイニイゼミと、7種ほどの蝉がいたそうです。これから秋にかけ、虫たちの声が盛りとなっていくのはいまから少し楽しみです。
ところで先日、地域のカフェのマスターが駒場東大前駅の階段でコロンとひっくり返っていたクワガタを保護したとのことで、その小さなクワガタを目黒恵風寮でいただきました。
地域のカフェは法人敷地の道路をはさんで向かい側、駒場の淡島通り沿いにあります。「音楽喫茶室カフェアンサンブル」という名のそのカフェは、1985年(昭和60年)創業の歴史のあるクラッシック音楽を聴くための音楽喫茶です。
クワガタのこどもはすこししてご利用者といっしょに「元気でね」と風のガーデンに放ちましたが、それまで何人かのご利用者や職員と一緒に観察しながら「なにこれ~」「めずらしいね!」と愛で楽しみました。
クワガタのこどもを見せると、虫が苦手な方で笑いながら「やだ~!」となる方、見たとたんに笑顔になる方、めずらしそうに眼を凝らす方と、反応はそれぞれでした。ここしばらく笑顔が少なく、顔を合わせたときには気にかけ声をかけているご利用者のTさんもにクワガタを見せると、ほんのすこし表情がやわらいだ気がしました。
すこし変わった来訪者に感謝しつつ、元気でねとお別れをしたのでした。