季節のおすそわけ

 

2022.6.15 記入者:大岩(サービス管理責任者)

 

 

梅雨となり、草陰の花たちは慎ましくもいっそう瑞々しい色合いをみせるようになりました。

 

ご利用者が玄関を出て「なにあれ~?」と指差したさきには紫陽花が咲いており、しっとりとした白や浅縹色が折にふれて目をうるおしてくれます。唐代中期の詩人である白居易の漢詩からその名の由来が紐とける「紫陽花」は、花のなかでもその漢字のかたちと現実の花とのどちらも殊更に美しく、かつて定家や家持をはじめとして古人に愛でられ詠まれてきた歌や句は少なくありません。

 

ご利用者との散歩で慣れ親しんだ道も、時期によってはほんのすこしちがった景色をみせてくれます。

 

 

 

ふらっと歩いていると、花だけではなく、ときどき「なんだこれ?」といった不思議とおもしろい発見もあったりします。

 

きょうはお隣の高齢者施設の畑に、バナナのようなきゅうりかズッキーニのような黄色い野菜が置いてあり、ご利用者のみなさんも「なにこれ?」といった表情をされていました。

  

 

また、ご利用者のHさんと歩いているときにはこんな風景を見ることもできました。

 

たんぽぽの綿毛と花びらを手にするご利用者のHさん

 

支援員のOさんに花をさしだすHさん

「え…いいんですか?」

 

 

ご利用者Hさんから支援員のOさんへ季節のおすそわけをし、そんな些細なやりとりに和ませていただいた日となりました。

 

 

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