さんぽ

2021.5.27

 

朝、玄関でひとりポツンと車椅子でうつむきながらじっとしているご利用者Fさんの姿がありました。

 

なにかあったのかなと思い声をかけると「あのね…」とぽつりぽつりと話され、

他のご利用者とのあいだで行き違いがあり落ちこんでいたようでした。

 

「だからね、わたしね、かなしいの」

 

Fさんは自分のきもちをひとつひとつ丁寧におしえてくれました。

 

しばらく相槌をうちながら話をきいていると、

おもむろに「…いっしょに一周だけ散歩したい」と話されたため、

じゃあ気分転換に一緒に行きましょうかと応えて法人敷地内を散歩することにしました。

 

 

散歩をしていると次第にFさんの表情もやわらかくなり、

風のガーデンにトマトの苗を植えたことなどおしゃべりしながら楽しみました。

 

  

 

 

ときどき法人内の保育園のこどもたちに「こんにちは~!」とあいさつしたり

道端の草や花を「これなんだろう?」と楽しみながら散歩をしました。

 

 

   

 

目でみて、手でさわり、ときどき笑いながら楽しみました。

 

 

 

 

さあっと吹いてきた風、木洩れ日、こどもたちの笑い声、草木花など小さなことのひとつひとつが

自分自身でも気づいていない出口の見えなさに陽をあててくれるような

そんな散歩になった気がしました。

 

(サービス管理責任者・大岩 )

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